睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、生命に関わる重大な疾患です。睡眠中に呼吸が繰り返し停止することで、体内の酸素濃度が低下し、心臓や脳に大きな負担がかかります。その結果、高血圧、不整脈、心筋梗塞などの心疾患や、脳卒中などの脳血管障害を引き起こすリスクが高まります。また、SASは睡眠の質を大きく損ない、日中の強い眠気や集中力の低下を招きます。これにより、交通事故や仕事上のミスなど、重大な事故の原因にもなり得ます。
特に近年ではお子様のSASも問題になってきました。主にアデノイドや口蓋扁桃の肥大により、睡眠中の呼吸が妨げられることがあります。お子様は症状を上手く伝えられません。寝起きの悪さ、おねしょ、落ち着きのなさなどの兆候があれば、一度当院までご相談ください。
SAS患者の多くが肥満傾向だと言われています。なぜなら、のどの奥にある上気道が狭くなるのがSASの主な原因だからです。肥満気味の方は、首周りの脂肪沈着が多く、上気道が狭くなりやすい傾向にあります。しかし、肥満でない方もSASを発症する可能性があります。たとえば女性や高齢者は筋肉量が少なく、のどの筋肉が緩んで上気道が狭くなりやすいため、注意が必要です。ほかにも扁桃肥大、巨舌、鼻炎、鼻中隔弯曲などの鼻疾患がある方も、SASの発症リスクは高くなる傾向にあります。
まずはご自宅で睡眠時無呼吸症候群の検査を行っていただきます。検査結果によっては、大きな病院で入院検査を受けていただくこともあります。その後、結果に応じてCPAP治療、歯科への紹介、生活指導などをさせていただきます。
当院では、SASを診断するために、簡易睡眠時無呼吸検査(SAS検査)を導入しています。この検査は、指に装着した小型の機器(パルスオキシメーター)で、睡眠中の呼吸状態、いびきなどの呼吸音、血中酸素濃度と脈拍数を測定するものです。SAS検査の大きな利点は、その手軽さにあります。自宅など、リラックスした環境で測定できるため、普段通りの睡眠状態を評価できます。病院に泊まり込む必要がありません。仕事や家事に忙しい方でも、気軽に検査を受けられます。
CPAP療法は、中等症から重症のSASに対する治療法です。睡眠中に鼻マスクから一定圧の空気を送り込むことで、狭窄した上気道を開大し、無呼吸を防ぎます。多くの方が装着した日から、無呼吸が解消されるので、ぐっすりとした睡眠が得られるようになります。長期的には、睡眠の質の向上、血圧の低下、心血管系のリスク減少など、多岐にわたる効果が期待できます。ただし、CPAP療法は、全てのSAS患者に適しているわけではありません。CPAP療法の適応は、専門医との相談の上、慎重に判断する必要があります。
SPECIAL-OUTPATIENT
アレルギー性鼻炎や花粉症の検査・治療を行っています。ドロップスクリーン(アレルギー検査)、CO2レーザー治療、舌下免疫療法などを行っています。
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